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OB からの一言

三菱重工業(株)下関造船所 顧問 硴崎貞雄

今年の造船界は,皆さんの懸命の努力が実って日が差したところが多く,造船業の地位見直しとのメデイア記事を見るようになりました。手放しで喜んではおられませんが,先ずはご同慶の至りというところです。

しかしながら,韓国や中国・ベトナムが追い上げてくる厳しい環境に変化はありません。わが国で造船業が産業として残るには,技術の優位性を高め,それを生かせるように,造っているものと造り方を変えて,競争力を高めるという大変革を早急に行わなければなりません。

私事で恐縮ですが,ささやかながら何度か新しいことをやるチャンスを頂きました。自分で情報やデータを集め,解析し,状況を把握した上で,やり方を探り考え,上司の指導と同僚の協力の下で懸命に挑戦しました。そのとき,変革には "しがらみ" にとらわれることがない怖いもの知らずのパワー溢れる "若さ" が必要だということをつくづく感じました。大変革は若い皆さんでないとやれません。

物事を変えようとするとき,どう変えようかと考え悩み,あるとき突然閃いて,それをスタートポイントに実行計画が作られます。このヒラメキは個人の所産で,実行計画を練り上げるのはチームの力です。優れたヒラメキは考えに考えぬく個人の努力から生まれます。実行計画を優れたものにするのはお互いに気心が知れた仲間の腹をわった活発な議論からです。

造船所に勤め,今回のような大変革の必要性に出会うのは千載一遇のチャンスです。一人一人が事業のおかれている実態を充分に把握をしたうえで将来像を考え,みんなで集まって,わいわいがやがやと多いに議論を重ねて変革の実行計画を練り,上を口説いて,若いパワーによる変革を早急に始めてください。わが造船界の素晴らしいところは,果敢な挑戦に対していつも理解があると言うことです。

造船業が,何がなんでもわが国の産業の一つとして,これからも存在し続けることを切に願っております。

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