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建造船紹介 : P & O プリンセスクルーズ社向け客船の紹介

三菱重工業(株)長崎造船所　江熊寿典

進水 [拡大画像]

外観模型 [拡大画像]

モックアップキャビン [拡大画像]

三菱重工業・長崎造船所では，英国の P & O プリンセスクルーズ社向けに 2 隻の超大型クルーズ客船を建造中です。先般の火災では会員の皆様には御心配をおかけしましたが，現在，両船とも艤装工事中で，引渡しは，1 番船 "ダイヤモンド プリンセス" が 2004 年 2 月，2 番船 "サファイア プリンセス" が 2004 年 5 月の目処が立ちました。

本船は，同社所有船中で最大となります。3,100 人の乗客が乗船，快適なクルーズを楽しめるように，75% 以上の客室には専用バルコニーがあり，食事は多様なバリエーションから選択できるよう多くのレストランが配置されています。一方，環境対策にも万全の配慮を施し，ガスタービンとディーゼル機関の複合発電システム及び電気推進システム，排煙低減型ディーゼル機関，次世代洋上廃棄物処理システム（排ガス洗浄，海洋投棄ゼロ，汚水処理の新技術）などを採用しています。

本船の設計にあたっては，通常の性能モデル試験に加え，乗客，環境への煙害対策に苦労した。ファンネルからの排煙の動きを可視化して排煙がオープンデッキなどに触れないようにファンネル周りの形状や排気管配置を決定したり，また，オープンデッキ上のウインド・スクリーンを各場所の風の強さを計測した上で配置したり，更には，排ガス（ギャレー，汚水槽などから出る悪臭を含む）がオープンデッキや客室バルコニーに影響を与えない配置を決定したりと幾度となく試験を繰り返した。実に，約半年間の風洞試験の結果，現状の配置が決定した。

なお，長崎港内に，その美しい姿を浮かべておりますので，機会あれば御覧下さい。

関連リンク

• 三菱重工業(株) 船舶・海洋事業本部
• 三菱重工業(株) 長崎造船所

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