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建造船紹介 : 13,000 総トン型カーフェリー 「やまと」「つくし」三菱重工業(株)下関造船所 森 哲也
2003 年 3 月 27 日,6 月 12 日に相次いで新門司〜泉大津航路に就航した,阪九フェリー株式会社殿所有の「やまと」「つくし」を紹介します。 本船は,瀬戸内海航路で最大,国内でも屈指のサイズを誇る,全長 195m の大型カーフェリーです。従来の就航船から,大型化かつ高速化することによって,利用者へのサービス向上を図っています。具体的には,航海速力がアップしたことによって,新門司〜泉大津間の到着時刻を変えずに,出発時刻を従来から 1 時間遅らせたダイヤが実現し,乗船までの時間に余裕が生まれることになりました。また,トラック及び乗用車の積載台数がアップしたことによって輸送効率の向上が図られ,地球環境に優しいモーダルシフトの推進に貢献することになりました。 旅客スペースは 5 甲板から 7 甲板に渡って配置されており,乗船者に船旅を満喫して頂くための空間と設備を備えています。内装のデザインは,「風を感じる空間」をコンセプトとしており,色調は自然との触れ合いをイメージして,「やまと」では明るい木目のリゾートイメージに,「つくし」ではやや落着いたアーバンイメージに仕上げられています。また,各室の配置や設備には,お年寄りや体の不自由な方に優しいバリアフリーの設計思想が取り入れられています。 パブリックスペースには,瀬戸内海の夜景を優雅に満喫できる展望デッキ,展望ロビー,展望浴室,プロムナードがある他,カフェテリアレストランやグリルも充実しています。また,ゲームルーム,カラオケルーム,キッズルームに加えて,近年増えつつあるペット同伴の旅行者に配慮して,ペットルームも備えられています。 客室は,特等室, 一等室,二等室,ドライバー室の等級があり,一等室と二等室には和洋両タイプがあります。特等室と一等室はすべて,船の周囲に面した外の景色が見える部屋となっていますが,6 甲板にある二等洋室は船内側の配置となっているにも拘わらず,船体中央に設けられた吹き抜けを囲むように配置され,窓付きで外の光が入るように配慮されています。また,5 甲板の二等洋室は,商用や一人旅で利用の乗船者が利用しやすいように,コンパクトな一人部屋となっています。 本船は,就航後,順調な航海を続けており,今後のさらなる活躍が期待されます。読者の皆様にも,機会があれば乗船して頂き,瀬戸内海の船旅を満喫して頂ければと思います。 関連リンク |
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