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建造船紹介 : 46,000DWT 型プロダクトタンカー

(株)新来島どっく造船設計部 中川道雄

46,000DWT プロダクトタンカー航空写真
46,000DWT プロダクトタンカー航空写真
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新来島どっくで建造しています 46,000DWT 型プロダクトタンカーの紹介をします。

本船は,燃料油,ジェット燃料,ナフサ等の石油精製品を積載,運搬することを主目的として建造された 46,000DWT 型ダブルハルタンカーです。このサイズのプロダクトタンカーは,通常 MR (Medium Range) と呼ばれています。

さて,当社建造の MR は,従来船に比べて以下のような優れた特徴があります。

  1. 14 のカーゴタンク,2 のスロップタンクの他に残留物タンク (Residual Tank) を備え,環境負荷の低減を考慮したタンク構成としています。

  2. カーゴタンク内の隔壁は縦コルゲート形状と下部スツールで構成され,外板側はダブルハルダブルボトム形状となっており,カーゴタンク内に船殻部材のまったく無い構造として,カーゴタンクの塗装面積削減とタンク洗浄が容易にできるよう考慮しています。また,荷揚げ時のカーゴの残留が少なくなり,カーゴオイルの揚げきりが可能です。

  3. カーゴタンク内隔壁の下部スツールは,その内部をパイプスペースとしておりますのでカーゴタンク内にはパイプが無く,カーゴラインの省メインテナンスを実現しております。(このアイディアは,実用新案登録済です。)

  4. カーゴポンプは電動モーター駆動としており,一般に採用されています蒸気タービン駆動ポンプに比べポンプの始動が容易で,格段の操作性,安全性,省メインテナンスを実現しています。また,カーゴポンプ駆動用電動モーターはサイリスタインバーター制御としており,回転数の微調整が可能で,最適な設定が選択できます。

  5. 高揚力大舵角舵 (±70 度の操舵が可能) を採用し,港内での操船性を向上しています。

本船型は,新来島どっく大西工場で連続建造されており,その 1 番船は 1998 年 10 月に引渡され,現在 14 隻目を建造中で,今後も多数を建造する予定となっています。

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