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変わりつつある技術者教育 −日本技術者教育認定制度 JABEE−

日本造船学会船舶海洋技術者支援委員会教育研究 WG 委員　新宅英司

造船の分野に限らず，ISO9000，ISO14001 など国際規格認証を受けることが業務上必要とされたり，それらを目にする機会が多いと思います。同じような動きが大学，高専等の工学系の高等教育機関において進んでいます。

その動きとは，日本技術者教育認定制度 (通称 JABEE，ジャビー) と呼ばれるものです。この制度は，認定を受けようとする教育機関 (学部，学科など) が，自らの教育目標を掲げ，掲げた目標通りの能力をすべての卒業生が備えるように教育するシステムが機能しているかどうかを審査するものです。申請者 (大学，高専) は教育目標を独自に設定できますが，社会の要請や学生の要望を考慮する必要があります。また，どの工学系分野を卒業した学生であっても，技術者として必要な数学や自然科学，工学の基礎学力を有し，情報処理能力，コミュニケーション能力，プロジェクト遂行する総合力等を有することが要求されます。つまり，教育の最低品質保証と教育の改善システム構築を目的とした制度といえます。

工学系の分野は多岐にわたるため，実際の審査作業は各学会を通じて行われます。現在，「船舶海洋」関連分野は「機械および機械関連分野」の一分野として JABEE に参加しています。平成 14 年度に認証を得た教育プログラムは全分野で 32 あり，今後認定プログラムの数は増加する見込みです。

審査を受けた先生方のお話を伺うと，受審作業は非常に大変だったが，これまでの自分たちの教育を見直す良い機会であり教官の意識が向上したとの意見が返ってきます。うまく利用すれば各教育機関の独自性，特長を伸ばしつつ，教育の品質改善に役立つものと思われます。ただし現在は制度が固まりつつある過渡期にあり，各教育機関においては新しい仕組みに振り回されている面がなきにしもあらずといったところでしょうか。

これまでの大学らしい教育を懐かしむ声もありますが，大学生の学力低下が問題となっている昨今です。何か手を打つ時期に来ているのは確かです。

関連リンク

• JABEE ホームページ

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