平成 16 年の新年にあたり一言ご挨拶申し上げます。昨年,日本の造船業界は歴史的な大量の受注量を確保して量的には活況の一年でした。一方中国が造船設備を大きく拡大しており,昨年 12 月上海での学会関係会合に参加した折,中国政府,CSSC 等のトップが 2115 年には造船世界一になるとの強い意気込みを示しておりました。そういった中で西部造船会の最近の状況をお話します。
- 造船 3 学会の連携・統合の動き
平成 16 年 1 月 26 日に第 4 回の 3 学会会長級会議が開催され,組織,財務,
論文集の各タスクフォースも精力的に活動して統合した場合の課題を検討してい
ます。現在までの方向としては
- 2005 年 5 月に新しく統合して発足する新学会の名称は "日本船舶海洋工学会"。組織は 1 本部,3 支部 (東部,関西,西部) で現在カバーしている県の範囲をその範囲とする (西部は島根・広島・愛媛・高知以西)。
- 会員はそれぞれ居住する地区の 1 支部に所属する (重複会員も 1 支部)。
- 学会活動は支部の自主的な活動がベースとなるが,横断的な事項は本部レベルで行うものの実務は支部から出た会員が分担して行う形となる。
- 西部造船会の技術研究会は,この統合とは別に産学連携の受益者負担の別活動と位置付け,従来以上に活発な活動を行う。
今後,財務を検証の上会費をどのレベルにするか,これに見合う会員サービスをどうするかなどを検討の上,成案を得て 3 学会ともそれぞれの 5 月の学会総会で統合案についての賛否を諮ることになります。
- その他の活動
会長就任時にお話した "西部地区の造船のコミュニティ" としての存在ついて,関係者のご尽力で昨年夏から始めた毎月のメルマガが大変評判が良いようです。また皆さんの関心を引く船の見学会開催を各造船所にお願いしています。近く三菱長崎造船所で建造中の客船の見学会を行うことになると思いますので,是非皆さんの参加をお願いします。
また技術競争力確保のための学会としての打ち手として,論文発表への更なる活発な参画と討論は当然のことですが,技術研究会でも性能,構造,機能システム各部会で特別な開発課題の設定を検討しており,今後皆さんの知恵を絞って頂くことになります。