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建造船紹介 : セルフアンローダー船「BALDER」

(株)大島造船所設計部 和泉貴之

BALDER 航走写真
BALDER 航走写真
[拡大図]
荷役状況
荷役状況
[拡大図]
荷役状況
セルフアンローダー稼働状況
[動画 (約 1.6MB)]

大島造船所で建造しましたセルフアンローダー船「BALDER」を紹介します。

本船は 48,000DWT 型バルクキャリアですが,高機能のセルフアンローダー装置と安全性・荷役効率・保守性に優れた二重船殻船倉,万全の防塵対策を施した人にも環境にも貨物にも優しい船で,次のような特徴があります。

  1. トップリクレーマー式連続セルフアンローダー装置

    連続バケットアンローダーと呼ばれるバケツリレーを自動化したような装置を船長方向に走行するガントリーに載せています。このガントリーは 1 倉口を覆うことのできる移動式ガレージ内にあり,荷役中はこのガレージ内をやや負圧にして,ガレージ外への粉塵の漏出を防いでいます。また,アンローダーの移動,掘削深さ等は PC 制御による全自動運転で,乗組員は操作室で TV 監視のみ行っています。尚,荷役能力は 1,875m3/hr で,舶用のトップリクレーマー式連続セルフアンローダー装置としては世界最大です。

  2. コンベア

    船倉と陸上を繋ぐコンベアは,
      船倉 : アンローダー
        〜 ロンジコンベア (右舷)
          〜 傾斜コンベア (船尾)
             〜 ブームコンベア (左舷) : 陸上
    と船楼をぐるりと囲んでいます。リーチ 75m のブームコンベアを両舷に振ることで陸上のピンポイントに揚荷が可能です。これらのコンベアも防塵対策を施しており,ダクト状のカバーで覆われています。

  3. 倉内構造

    安全性・保守性に優れた骨の出ない二重船殻構造とコンベア・荷役装置のガントリー配置で倉内は非常にシンプル,通常のバルクキャリア並の大きい容積を確保しています。また,荷繰り時の人の倉内作業が無いようにホッパーの傾斜を大きく取り,貨物を自然落下させています。

本船は 2002 年 3 月に引き渡され,バルクキャリアの高い容積効率とセルフアンローダーの自動高速荷役・荷役中の完全防塵を有する船として活躍しています。

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