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建造船の実航海体験乗船報告

(株)大島造船所設計部 毎田 進

体験乗船の航路
体験乗船の航路
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乗船した 81.3BC
乗船した 81.3 BC
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シケの台湾沖を北上中 (11 月 25 日)
シケの台湾沖を北上中 (11 月 25 日)
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能代港で記念写真 (12 月 2 日)
能代港で記念写真 (12 月 2 日)
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大島造船所には,造船技術者の技術力向上プログラムの一環として若手造船技術者を対象とし,約 1〜3 ヶ月程度の実航海を体験出来る制度があります。この制度により 1984 年から約 50 名ほどの若手技術者が船舶の運行状況や機器の使用状況等を実航海で体験し,その経験を活かして,日々の設計・建造の業務に役立てています。

この度,私は日本の電力会社向け石炭専用船として開発した,(株)商船三井殿所有の幅広浅喫水型の OVER PANAMAX TYPE BULK CARRIER (MV.KAIYO, Lpp×B×D = 218.0×36.5×19.13m, DW : 81,300MT, M/E : MAN B & W 5S60MC-C, Speed : 14.5knots) に 2003 年 10 月 31 日から約 1 ヵ月間乗船しましたので,体験乗船の様子を,写真を交えて簡単に紹介いたします。

右の写真は,私が乗船した 81.3 BC です。荷役効率を高めるため,貨物倉の数は 5 倉としています。

乗組員は私以外全員フィリピン人で,この中で 1 ヵ月間共同生活となりました。私の下手な英語でも,何とか意思の疎通を図ることが出来,不自由無い生活を過ごすことができました。居住性も良く,船の揺れを除けば,ホテルに住んでいるといった感じです。

実際の航海を通して感じたことは,乗組員が「この船は我々の船だ」 と言って,本船を愛し,大事にしてくれていることでした。荷役やバラスト交換時に船体構造への負担を極力少なくする努力をしていたことや,機器のメンテナンスや塗装などの日常業務等においても,本船に愛着を持って作業していました。このような立派な乗組員達が本船を操船してくれているので,本船は今後も問題なく航海を続けるでしょう。また,本船の航海速力や運動性能,荷役性能,入出航時の係船性能,振動などに関する貴重な実運航時のデータを得ることが出来,さらにデータを体感として理解出来たことは,とても有意義でした。

最後に,船主殿をはじめ,体験乗船でお世話になった皆様に対しまして,感謝申し上げます。

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