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訪船報告 : シリアライン「シリア・セレナーデ」

尾道造船(株)設計部 塩谷邦彦

シリア・セレナーデ全景
シリア・セレナーデ全景
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シリア・セレナーデ船首部
シリア・セレナーデ船首部
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最船首より船尾を見る
最船首より船尾を見る
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主レストラン
主レストラン
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操縦席 (中央を挟んで 2 人座る)
操縦席 (中央を挟んで 2 人座る)
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シリアライン (Silja Line) はフィンランドの首都ヘルシンキを拠点とし,幾つかのクルーズ船を運航しています。その中,にヘルシンキとストックホルム (スウェーデン) を結ぶ航路に就航している "シリア・シンフォニー" と "シリア・セレナーデ" があり,この 2 船の姉妹船が両方の港を毎日同時離着岸して結んでいます。ヘルシンキにはシリアライン以外にも多くのクルーズ会社があり,ヨーロッパにはクルーズを楽しむという一つの文化があるということを感じさせられます。今回我々はこの内の "シリア・セレナーデ" に訪船して船内を見学する機会を得ました。

  1. 本船の主要目

    建造は 1990 年で,全長 203m,幅 31.5m,喫水 7.1m,最高速力 23kt / 総トン数 58,400t / 乗客定員 2,852 人 / 駐車台数乗用車 400 台またはバス 60 台。

    外観は白地に 3 本の青のラインが映え,背が高く船首部分の形状もボリューム 感ある曲線処理がされているので船自体がかなり大きくみえます。

  2. 船内について

    この船の一番の特徴は,ほぼ全船の長さにわたる吹き抜けであります。この船は計 13 層のデッキがあり,また天井は光が差し込む様になっているので明るくて高く長い吹き抜けがあることで開放感があり,一般商船を建造している我々にはまったく別世界の船であると感じさせられます。

    また感心したのはエレベーターが吹き抜けに面して計 8 機配置され,障害者用トイレなども完備されていて誰もが船旅を楽しめるよう配慮されている事でした。

  3. 操舵室など

    操舵室は中央部で全ての操船が出来る集中レイアウトとなっており,コックピットを思わせる配置となっています。天井にも操作レバーやボタンがあり,船側ウィングには離岸・接岸時に操作する機器が配置されています。また船内外含めて全船で 46 台のカメラが付いていて着岸時にも使用できるよう配置されていて安全面にも配慮が行き届いています。

    機関関係では 4 台の主機と減速機で 2 軸の固定ピッチペラ,2 枚舵,スターンスラスター 1 機,バウスラスター 2 機,フィンスタビライザー 1 対を装備しています。居住区画,操縦室,機関室など全体を見ても,建造後 10 年以上経過している船とは思えないほどメンテナンスが行き届いていて綺麗でした。

    キャプテンも含め乗組員全員でこの船を大事にするという気持ちが細かくメンテナンスを行き届かせていると改めて感じました。

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