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焼き鳥の話(株)新来島どっく基本設計部 片岡史朗仕事の帰りに焼き鳥屋でちょっと一杯,そんな経験をお持ちの人も多いはず。ちょっと趣向を変え,焼き鳥について話をしてみたいと思います。 これからの季節,忘年会など何かとお酒を飲む機会が多くなるかと思います。そんなお酒の席で,ビールや焼酎の隣に焼き鳥なんていうことも少なくないのではないでしょうか。ひと昔前まで,焼き鳥といえば仕事帰りのサラリーマンが立ち寄る大衆酒場の定番メニューと言った印象がありましたが,時代は変わり,首脳会談も焼き鳥を片手に行われる昨今,焼き鳥専門のチェーン店や高級な地鶏を使った専門店も現れ,焼き鳥は日本の伝統食としてしっかりとその地位を築いたのではないでしょうか。 焼き鳥の歴史古くから鳥は食用とされていますが,焼鳥が料理書に現れるのは寛永 20 年 (1643) の「料理物語」。この書の中で,串焼に向くのは「雁,鴨,雉,…」,焼鳥に向くのは「山鳥,鸞」などが挙げられているとのこと,また,「合類日用料理抄」(1689) には「鳥を串にさし 薄霜ほどに塩をふりかけ焼き申し候 よく焼き申し時分 醤油の中へ酒を少加え 右の焼鳥をつけ 又一変付けて其の醤油の乾かぬ内に 座敷へ出し申し候」とあり,江戸時代の初期には現在の調理法が出来ていたそうです。その後,雀などを使った焼き鳥が屋台や露店で売られるようになって庶民に普及し,昭和 30 年代後半からのブロイラーの普及によって鶏の価格が下がり,現在の焼き鳥が広く大衆化したとのことです。
鉄板焼き鳥焼き鳥といえば肉や野菜を串に刺し,炭やガスの直火の上でじっくり焼き上げるのが一般的ですが,これとは違った調理法で作る焼き鳥もあります。そのひとつが鉄板焼き鳥です。 鉄板焼き鳥とは文字通り鉄板の上で焼く焼き鳥であり,この焼き方は愛媛県今治,広島県,大阪府などで行われています。特に今治では店の大半が鉄板焼き鳥スタイルであり,串に刺さっていない「皮鉄板」が有名です。外はカリッと,中はジューシーに仕上げられた「皮鉄板」は,炭焼きの串に刺さった皮の柔らかな食感とは一線を画すものとなっています。 鉄板焼き鳥の普及についてはいろいろと考えられますが,大阪,広島はお好み焼きが有名な地であり,鉄板文化が根付いているためと考えられます。今治については造船が盛んであり,鉄板の入手が容易であったからとも考えられますが,これはどうも怪しそうです。 本記事は今治の焼き鳥文化を紹介した 土井中 照著「やきとり天国」を参考・引用して作成致しました。さらに詳しいことを知りたい方,興味をお持ちの方はぜひこちらをご覧下さい。 関連リンク |
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