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郷土紹介 : 造船の町 今治

(株)新来島どっく基本設計部 片岡史朗

しまなみ海道 来島海峡大橋
しまなみ海道 来島海峡大橋
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波止浜地区の風景
波止浜地区の風景
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平成 17 年 1 月の市町村合併により,(株)新来島どっく大西工場の所在地は,現在の越智郡から今治市にかわります。そこで今回は造船の町としても有名な今治の紹介をさせていただきます。

今治は愛媛県北部,瀬戸内海にこんもりと飛び出た高縄半島の先端にある人口約 12 万人の小都市で,平成 11 年の西瀬戸自動車道 (しまなみ街道) の開通によって本州と結ばれました。主な産業は造船業とタオル生産です。特にタオルの生産量は全国生産高の 60% 以上を占め,日本一の生産地になっており,近隣にはタオル美術館なるものもあります。

今治は古くから瀬戸内海の阪神と九州を結ぶ航路の中央に位置するため,海上交通の要所として栄えてきました。その海上交通の拠点となる今治港は大正 11 年に外国船の出入りが許可された四国初の開港場となったことでも知られており,その起源は慶長 5 年 (1600 年),藤堂高虎が関ヶ原の戦いの戦功で "今張の浦" に築城し,その城の北側に港船頭町を開いたことにさかのぼります。現在は今治の海の玄関口にふさわしくなるべく港湾整備等が進められています。

造船業が盛んな場所は今治の北にある波止浜地区です。「筥潟湾」と呼ばれる波止浜湾は水門まで約 1 km,幅 200〜300m の奥深い入り江が続き,その両岸に数社の造船会社が立ち並んでいます。この地は塩田築造を基に繁栄し,塩買い船や瓦焼き用の粘土を運ぶ土船など,地元の海運業と結びつき造船業が発展してきました。その昔は "八幡船" の建造所や舟大工屋敷が並んでいたとされ,その歴史は遠く南北朝時代にまでさかのぼるそうです。

この波止浜地区で特徴的なのは何と言っても造船所の建ち並ぶ様子です。小さな湾に各社の船台やクレーン,色とりどりのさまざまな種類の船が並んでおり,一見ではどこが会社の境かわからないありさまです。この地区の様子を見て「造船長屋」と呼んだやら?

何かと海や船と関わりの深い今治です,興味があれば一度,立ち寄られては如何でしょうか。

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