2003 年 4 月 30 日に 3 学協会間で締結された基本合意書に基づく協議の末,(社)日本造船学会,関西造船協会,西部造船会の統合が昨年 5 月の西部造船会第 59 回総会において決定されました。本年より新学会の活動が開始される予定ですが,新学会発足に関する現状をご説明させて頂きます。
- 新学会名称
新学会の名称は「(社)日本船舶海洋工学会」となります。従来の 3 学協会の活動に加え,近年広がりを見せている海洋の機器と環境に関する分野を包括することを目的としています。
- 統合時期
2005 年 6 月 2 日開催予定の新学会年次総会において新体制が発足する予定です。
- 新学会の組織
新学会は 1 本部,3 支部で構成されます。支部は支部区域に居住あるいは勤務する会員より構成され,自主的な運営により学会活動を展開します。支部区域は原則として以下のとおりです。
東部支部 : |
愛知・長野・富山県以東の各都道県 |
関西支部 : |
三重・岐阜・石川県から鳥取・岡山・香川・徳島県までの各府県 |
西部支部 : |
島根・広島・愛媛・高知県以西の各県 |
現 3 学協会会員は全員新学会へ移行し,該当する区域の支部所属となります。
- 新学会役員選挙
現在,既に支部商議員選挙が実施され,西部支部では 41 名の商議員が選出されています。引き続き,各支部の支部長,支部監事選挙と本部の代議員,会長,理事,監事選挙が順次実施される予定です。新西部支部関連の選挙は西部造船会が管理し,本部に関する選挙は 3 学協会で構成する「造船新学会設立準備委員会」が管理します。
- 財務,会費
虎ノ門の現(社)日本造船学会事務所移転,人件費の削減を含む本部管理費の合理化等により,新学会の個人年会費は 8,500 円となります。ただし,西部造船会,関西造船協会の現会費からは大幅な増額となりますので,統合後 3 年間を暫定期間といたします。この間は現在の会費で同一のサービスが受けられ,各学協会員の年会費は以下のようになります。なお,複数の学協会に重複して所属する会員につきましては,所属学会中の最高会費を暫定会費とします。ただし,新規入会の会員は新学会の会費を納入するものとします。
日本造船学会会員 | 8,500 円 |
関西造船協会会員 | 5,000 円 |
西部造船会会員 | 4,000 円 |
3 学協会の何れかに 20 年間以上継続して在籍し,かつ年齢が 60 歳以上の場合,本人の申し出によりシニア会員として登録され,年会費は 4,000 円となります。また,学生員の年会費は 2,000 円です。
- 本部・支部活動の概要
シンポジウム,研究会,見学会等の開催・実施は支部が主体となって行います。国際会議や全国的な活動は本部主催となりますが,理事会の承認の下,支部が主体となって行う国際会議等では学会名を使用することが出来ます。また,従来からの ITTC,ISSC などへの対応はもとより,新たに IMO,IACS への対応も行うよう今後関係先と協議して行きます。
- 講演会,論文集,会誌
講演会は年 2 回開催されます。春季講演会は各支部主催で個別に開催し,秋季講演会は本部主催の 3 支部連合大会とします。秋季講演会の開催場所は 3 支部で持ち回りとします。
和文論文集は年 2 回発行し,希望者に年間 2,000 円で配布する予定です。英文論文集 (JMST) は現行組織で発行を継続します。
会誌は年 6 回発行し全会員に無料配布いたします。内容はアカデミックな視点からの学術的な記事を原則とし,多くの会員が身近に感じられる特集を企画して平易で親しみを持って読んでもらえる会誌を目指します。
- 新学会研究委員会
現在の研究委員会は全て解散し,新たに各支部から 2, 3 人選出されるメンバーで構成される分野研究部会を立ち上げます。1) 性能・運動,2) 構造・強度,材料・溶接,3) 工作,4) 設計・艤装,5) 海洋工学・海洋環境,6) 情報技術の 6 分野の代表が研究企画委員会を編成し,プロジェクト研究委員会の企画,立案,評価等を実施します。各支部にも分野別の交流体制を設立します。
- 西部造船会技術研究会
西部造船会技術研究会は新学会の発足と同時に分離独立し,従来同様,造船所の諸問題に関し大学を含め意見を交換する産学連携のための独立組織として位置付け,今まで以上に活発な活動を目指して行きます。