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建造船紹介 : マラッカ Max VLCC の紹介ユニバーサル造船(株)有明事業所 黒木友博
有明事業所で建造していますマラッカ型大型タンカーの紹介をします。 有明事業所は有明海に面した熊本県長洲町に位置しています。長洲町は金魚の産地として全国的に有名であり,日本でも唯一の金魚の水族館を整えています。長洲駅に到着すると,大きな金魚御輿 ("ランちゃん" と "リュウちゃん") がまず目に入るでしょう。また,近郊には,西日本最大の遊園地三井グリーンランドや別名白鷺温泉としても広く知られている玉名温泉があります。 さて,本船型の 1 番船である Astral Shipping Navigation S.A. 向け "KAMINESAN" は 2003 年 7 月 31 日に引渡しを終え,2 番船である Ceder Shipping Navigation S.A. 向け "VEGA TRADER" は 2003 年 9 月に海上試運転後,引き渡しの予定です。タンク配置の特徴としては,船体中央部の No.3 バラストタンクに付加的なバラストタンク (インボードバラストタンク) を設置し,満載あるいはバラスト航行時の縦曲げモーメントを低減し,より構造上の安全性を高めると同時に,満載時の船体撓みを軽減し,通常タンク配置のダブルハル VLCC と比較して DW ロスをより小さくする効果を持っています。 また当社は,昨年 10 月に日本鋼管株式会社と日立造船株式会社のそれぞれの船舶・海洋部門が統合し,ユニバーサル造船株式会社として,新たな一歩を踏み出しましたが,本船の設計においても両社が長年培った技術,ノウハウが生かされたものとなっています。例えば,船首部には波浪中における抵抗増加量を低減し実海域航海性能の向上を図った AX-BOW (斧型船首形状) の採用,船尾部では推進性能の向上を図った Hitachi SSD (Super Stream Duct)と NKK-Surfbulb を組み合わせた新型の省エネデバイスで,両デバイスの加算的効果が実現されています。 有明事業所では "KAMINESAN","VEGA TRADER" に引き続き,今後このマラッカ型大型タンカーを 3 隻建造する予定ですが,さらなる環境対策,レスメンテナンス性,作業性改善,安全対策を加味して次世代船型の開発にも着手しています。 関連リンク |
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