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エッセイ : 西部造船会に想う

西部造船会名誉員・九州大学名誉教授 中武一明

西部造船会員の皆様,日本造船界の好況が伝えられている中,元気にご活躍のこととお慶び申し上げます。さて私は,昭和 43 年 4 月以来勤めてきました,九州大学工学部教官を去る 3 月末をもって元気に退官致しましたので,永年の皆様方のご厚意に対して,ここに深く感謝申し上げます。

想えば,西部造船会に入会しましたのは,昭和 38 年九大大学院修士課程に入学した時ですから,早くも 41 年が過ぎたことになります。最初の論文を西部の第 31 号 (昭和 41 年 2 月) に発表して以来,今年の第 107 号までの内に,62 編の論文を西部に出していますので,これは私の全論文の約半分に当り,私自身が西部造船会によって育てられてきたことを強く感じております。その後,代表幹事を 6 年間 (山崎会長,辻会長および田村会長),そして会長を 4 年間 (平成 7 年〜 11 年) 努めさせて頂きました。この間,会則改訂,シンボルマークの設定,会旗の作成,印刷会社の二社競合方式への変更,カメラレディー方式への変更,終身会員の設立,上海市造船工程学会との友好交流協定の締結,創立 50 周年記念行事 (平成 11 年 5 月) などに携ってきました。これらのことを何とかやって来れましたのも,法人会員,個人会員の皆様のご協力のお蔭だと厚くお礼申し上げる次第です。

さて,10 年ほど前から検討されてきました,造船三学協会の統合の件も,西部造船会第 59 回総会 (5 月 6 日) において,来年 5 月発足予定の日本船舶海洋工学会に向けての統合案に沿って進むことが出席者の全員一致によって決議されました。今年は,西部造船会が昭和 29 年に渡辺恵弘先生を初代会長として創立されて以来 55 年目,またその前進である九州造船会 (野中季雄初代会長) の創立以来 80 周年目に当たります。西部造船会会報も,秋の第 109 回例会で発表される論文の掲載 (第 109 号) によって,その幕を閉じることになります。古くからの会員にとりましては,感無量の想いがあるものと思います。しかし,他学会の支部とは異り,各三支部の自主的な運営が重視され,また西部造船会技術研究会は別組織として従来と同様な活動が出来るようになっていることは,各支部の発展のために歓迎すべきことかと思われます。

統合に向って,まだ検討してゆくことが沢山あるように伺っておりますが,中でも私が心配していますのは,関西造船協会と西部造船会会員の会費の値上げによる会員の減少,および三学協会の名誉員,功労員,終身会員の増加による会費収入不足です。今でも会費免除者は正会員の 22% を占めていて,今後急激に増加してゆく訳ですから,このままのやり方だと深刻な事態になるものと思われます。従来の会費免除者にも会費を半分は出してもらうというような思い切った方法を取らないと厳しい財政状況になるでしょう。新しい若い会員の数は,年に多くても 30 名程度かと思われますので,新学会にとって十分検討すべきことと思います。

新発足予定の日本船舶海洋工学会が,その理念を目指して,日本造船界のために順調なスタートを切られ,益々発展してゆくことを祈念しております。

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