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九州大学船舶海洋システム工学教室における学生生活の紹介

九州大学大学院工学府博士後期課程 1 年 慎 勝進

久住山頂にて
久住山頂にて
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ソフトボール大会
ソフトボール大会
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玄界灘を望む博多湾のすぐそばに,我々の学び舎である九州大学箱崎キャンパス 5 号館があります。大正 9 年より続く 80 年以上の永きにわたる歴史と伝統のもと,30 名の教職員の方々のご指導を仰ぎつつ,139 名の学生が日々学問と研究に励んでいます。

現在,大学院には博士後期課程,社会人博士課程,留学生も含めて 56 名が在籍しており,また学部には 83 名の 3, 4 年生が在籍しています。1, 2 年生については,船舶海洋システム工学,建設都市工学,地球システム工学の 3 コースからなる工学部地球環境工学科の所属となっており,2 年生の第 2 学期 (10 月開始) より,船舶海洋システム工学コースを選択した学生が我々と同じ教室に在籍となります。

工学部に入学した学生は,基本的には 2 年生の前期までは六本松キャンパスにおいて基礎科学科目,教養教育科目および言語文化科目などを受講しますが,週に 1 日だけ箱崎キャンパスにおいて講義を受ける日が定められています。1 年生時の第 1 学期には,午前中に地球環境工学入門と題する講義を受講し,船舶海洋工学,都市建設工学,資源工学の概要を学ぶことができます。また,午後からは,地球環境工学演習として,前述の 3 コースの各研究室で少人数のグループに分かれて各専門分野に関するテーマに対する調査・研究を行います。これは私が学部の低学年のときには無かった科目で,今の1年生がちょっと羨ましいです。私は,低学年のとき研究室とはいかなるものか知らなかったものですから…。2 年生の後期から箱崎キャンパスに移り,専門科目を中心にみっちり学びます。

箱崎キャンパスでのカリキュラムの内容は,講義,演習,実験,製図,さらに実習があります。専門科目の講義・演習では船舶計算法,流体力学,船舶運動論,船舶設計,構造力学などから船に対する知識を深め,システム設計,機能設計,材料加工学,海洋環境情報学などを含めて「造船」を学びます。また,九州大学が所有する長水槽と旋回水槽で模型船を使用した実験を行います。この実験を通して,実験方法のノウハウだけでなく準備や計画を含めた実験の大変さを体験することができます。製図ではクジラ (ねずみ,ウエイトとも…) とバッテン (撓 (しな) い定規) を巧みに扱いながら手書きでプリズマティックカーブからラインズ,排水量等諸曲線図など,諸々の図面をボロボロになりながらも書き上げていきます。

さらに,2 年生の夏と 3 年生の秋に行う工場見学,3 年生の夏に実際に造船所で行う 2〜3 週間の工場実習が必修科目となっています。この実習が,実際のものづくりの現場に立会い,身体で船の巨大さを体感できる貴重な経験になります。同時に,ここで出会った先輩や仲間たちとの思い出は非常に有意義なものです。

4 年生に進級すると,研究室に配属されます。7 つある研究室では,それぞれ個性的な先生方が厳しく,時に楽しく指導してくださいます。我々も日々向学心に燃えながら毎日の生活を送っています。その後,就職または修士進学となります。

我々の教室の特徴は,教職員と学生のチームワークのよさではないでしょうか。新しい 2 年生のコース選択が決定すると,教室全員で箱崎キャンパスのすぐそばにある歴史ある「三畏閣」で歓迎会が催されます。秋には,これも先生方や学生がほぼ全員参加して大分県の九重山に登山に行きます。しかも 1 泊します。この日ばかりは先生,先輩,後輩の垣根を越えて多少羽目をはずしながらも,大いに騒ぎ,大いに笑います。

さらにソフトボール大会や花見,正月明けには,卒論・修論の仕上げを控えた学生たちを「追い出しコンパ」と冠うったパーティーで強烈に教室を挙げて応援します。時には,先生自ら学生を誘って課外授業を行ってくれたりもします。我々の教室は人数が少ないということも一因でしょうが,それにつけても結束力は非常に固いと感じています。

私が九州大学の船舶海洋システム工学科に入学してもう 7 年経ちました。多くに人に出会い,多くの事を教えられ,そして学びました。今は,私が得ることができたすばらしい経験を多くの後輩たちに伝えることができれば,と日々過ごしています。

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