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常石造船と広島大学の包括的研究協力協定の締結について

常石造船(株)船舶設計部 黒瀬慎治

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常石造船は 2004 年 6 月10日,船舶設計や環境保全に関する技術開発に向けて,広島大学大学院工学研究科と包括的研究協力協定を締結しましたので,紹介します。

- 研究協力締結の経緯

国立大学の法人化を背景として,広島大学は,研究機能を幅広く社会に役立てる使命に基づき,種々の教育研究機関や企業との共同研究や研究委託の受け入れを積極的に進めています。一方,常石造船は高品質な船造りを国際的に展開し,そのための技術的課題に関する研究に積極的に取り組んでいます。幅広い産学提携を進める広島大学と高品質な船舶建造を目指す常石造船の考えが一致して,今回の研究協力協定締結となりました。

両者の長い間の協力の蓄積が基本としてありますすが,直接的には広島大学小瀬邦治教授が国際交流事業の一環として技術移転の調査に常石グループのフィリッピン セブの造船所を訪問されたのを機に,両者の国際協力に関する共通の姿勢が認識され,当社グループが広島大学の技術や国際経験に関心を持ったことが契機となり,両者の検討が始まり,研究協力の協定締結となりました。

- 包括的な研究協力の意義

本協定による研究協力は,主に,

  1. 船舶の性能と構造の設計,建造と就航後の維持管理
  2. 環境の保全と国際協力の推進

という 2 つの分野で,両者で「研究協力委員会」を設置して毎年研究テーマを選定するとともに,予算の検討,研究活動の進捗管理,評価,人的交流,知的財産の管理を行います。具体的な研究活動は,本委員会の下に研究グループを設け総合的に研究協力を推進します。当面予定している研究は,

  1. 船舶の構造を最適化する手法を開発し,設計に利用すること。
  2. 船首尾形状及び構造を改善して推進エネルギーを低減すること。

です。

従来の共同研究は最初から特定の課題に絞って行っていましたが,今回の包括的な研究協力では,テーマが明確になっていない場合でも,両者の関心が深い分野を勉強しながら研究テーマを絞り込むことも可能で,シーズとニーズをつき合わせて適切な開発テーマの設定が可能となり,幅広い研究開発の推進が期待されます。

現在,環境にやさしい船舶というテーマでも勉強中であり,今後具体化する予定です。

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