西部造船会ロゴ西部造船会






サイト内検索 : [検索方法]

[ 前の記事 | 目次 | 次の記事]

「ニューかめりあ」で行く博多〜釜山の旅

三菱重工業(株)下関造船所 山本 明

船内の「冬ソナ」大ポスター
船内の「冬ソナ」大ポスター
[拡大画像]
カウントダウン鏡割り
カウントダウン鏡割り
[拡大画像]
初日の出
初日の出
[拡大画像]
釜山出港
釜山出港
[拡大画像]

普段の正月は,実家へ帰省して寝正月というのが我が家の恒例なのですが,「身内の全員が揃う貴重な機会をいつも寝正月ではもったいない」ということになり,今年は一念発起して全員で海外へ旅行することとしました。とは言っても,ハイシーズンで予算的な問題もありましたので,場所は最も近い海外 "韓国",中でも,私の実家の福岡とは目と鼻の先,"釜山" へ行くこととしました。

福岡から釜山への交通手段としては,飛行機,ジェットフォイル,フェリーがあり,そのどれもでツアーが組まれていますが,今回はフェリーを選びました。理由は,子供 3 名 (7 才,5 才,3 才) を入れて総勢が 9 名となること,父以外誰もクルージングの体験がなかったこと,などですが,"初日の出を船上で" という旅行会社のキャッチフレーズが決め手となりました。実は,私は 15 年間船の設計に携わっていますが,恥ずかしながら仕事以外での船旅をした経験がありません。いつか機会を見つけて船旅をしたいと考えておりましたので,そういった理由からも迷わずフェリーを選択しました。

さて,それでは旅の様子をご紹介します。なお,今回参加したツアーのスケジュールは次のようなものでした。

12/3119:00乗船
その後深夜 2 時までは
博多湾内停泊
1/102:00釜山へ向けて出港
08:00釜山着
09:00釜山市内観光
ロッテ釜山ホテル泊
1/209:00ショッピング
11:30釜山出港
17:00福岡着

出発当日は生憎の低気圧接近による強風のために,釜山からの本船入港が若干遅れましたが,出国手続きは比較的にスムースに行われ,400 名の乗客で混雑していたわりには軽快に乗船することができました。

ボーディングブリッジを渡り船内に入ると,「ニューかめりあ」の船員の方々が「アニョハセヨ」「こんにちは」と明るい笑顔で迎えてくれました。また,エントランスの装飾と吹き抜けの螺旋階段は豪華ホテルのようで,これから始まるクルージングの気分を一層盛り上げてくれました。エントランスの奥に目をやると,中央にはお洒落なレストラン,左舷側にはパブリックサロン,展望プロムナード,グリル席と続き,それぞれのエリアに配置された家具と装飾は,様々な雰囲気の空間を演出しています。また,ゲームコーナー,カラオケルーム,TV シアターなどのアミューズメント施設,大浴場,自動販売機コーナーも充実しており,乗客の方々は皆,思い思いの場所で年明けまでのひと時を過ごしておりました。

我々も持ち込んだおせち料理で空腹を満たした後は,入浴,船内の散策等しておりましたが,あっという間に時間が経ち,間もなくカウントダウンとなりました。当日は,船内での年越しそばの無料サービス,カウントダウン鏡割りと振舞い酒,海の中道からの花火等の盛りだくさんのイベントで,年越しまでの時間を楽しく過ごすことができました。 さて,夜も深まり深夜の 2 時になると,いよいよ釜山へ向けて出港です。ほとんどの乗客の方は就寝されておりましたが,私は職業柄,船が動き出してからの船内の様子が気になり,あらためて船内を見て回りました。本船は当社建造でもあり手前味噌になるのですが,荒天にも拘わらず,どの区画も非常に静かで完成度の高い船であると実感した次第です。また,清潔で清掃が行き届いた船内は,船の質を一層引き立ているようでした。船主殿の乗客の方々に対する御配慮にあらためて感心しつつ,深夜の散策を終え,気持ち良く床につきました。

翌朝は前日の低気圧も去り,穏やかな夜明けとなりました。水平線にはまだ薄っすらと雲が残っていましたが,その雲の下から厳かに昇る 2005 年の初日の出を拝むことが出来ました。

船は,その後間もなく釜山へ入港,9 時過ぎに入国の後,我々は釜山の町へ繰り出しました。鮮魚の露店で有名なチャガルチ市場,雑貨販売の国際市場,市内ショッピング,竜宮寺参拝,夜は焼肉で食を満たし,最後はアカスリでリフレッシュです。最低気温はマイナス 4℃ という今年一番の冷え込みでしたが,好天にも恵まれ,家族全員が釜山の旅を満喫することができました。

近年,政治,経済,文化,スポーツのあらゆる面で日韓の距離は急速に縮まっています。「ニューかめりあ」のような船が,日韓の掛け橋として,今後益々活躍されんことを期待して旅の報をしめくくりたいと思います。

関連リンク

[ 前の記事 | 目次 | 次の記事]





〒812-8581 福岡市東区箱崎 6-10-1
  九州大学工学部船舶海洋システム工学教室内 西部造船会
  Tel. : 092-642-3718,   Fax : 092-642-3719,   E-mail : webmaster@wjsna.jp